イラン旅行記6日目 | moskomule log

イラン旅行記6日目

Yazd

些細なことだけれども,日本語だと「ヤズド」なので,油断していると“Yazood”のような発音になってしまって,伝わらないことがあったので注意が必要.

昨日は開いていなかったZoroaster教の神殿に向かう.やはり人気スポットなので結構観光客が来ていた.

Zoroaster教神殿

飛行機に乗る人を表したOOPArt1に見えるが,これはFaravahar2と呼ばれるZoroaster教の象徴.まわりの言葉が3つの善を表しているらしい.

Faravahar.Zoroaster教の象徴であると同時に,イランの象徴でもあるらしい.

太古から連綿と受け継がれてきた焱.ガラスの向こうに炎があるだけで,宗教施設,と言うよりは展示室のような雰囲気.ただ信仰が廃れたわけではなくてYazd郊外には拝火教の聖地があって世界から巡礼者が訪れるらしい.

Zarathustraの時代から燃え続ける焱

博物館があって,拝火教の習俗の展示がある.鏡があってお供え物をするあたりに神道との関連を感じる.

神道らしさ

Shiraz

相変わらずmosqueは開いていない上に,手持ちのRialも少ないので,ほかのZoroaster教寺院に行くこともせずに,次の目的地であるShirazに向かう.これも高速バスターミナルでバスチケットを買って,6時間ほど揺られて,17時くらいにShirazに到着した.一応VIPのバスなのだが座席は硬くて,疲れが取れないどころか,逆に溜まってしまった.

これまでバスターミナル前にはタクシードライバーが沢山いて,値段交渉をしていかなくてはならなかったのだが,Shirazでは事務室があってそこで券を購入すると,係員が適当な運転手を呼び出して,乗り込む仕組みになっている.ところが,いるはずの運転手がどこかに行ってしまい,探したり次の運転手を呼んだりしていて,時間がゆっくり流れている.

先にShirazに来ていたPと再会して,Cafe Royalに行くと,ドイツ人のRを紹介された.彼はイラン人の女性と婚約していて,何度もイランに来ているらしく,ペルシャ語を話す.このCafeは観光客が大勢訪れていててんてこ舞の様相だった.

Bazaar

Rが友人に会いに行ってしまったので,PとBazaarに行くことにした.大体Bazaarはゴミなども落ちていなくて綺麗な印象があったのだが,Shirazでは結構散らかっている印象を受けた.RによるとShiraz人はいい加減らしいので,ほかの地域の人と較べると,あまり気にしていないのかもしれない.

やはり香辛料店は面白い

Bazaarを抜けるとmosqueのような建物が見えてきたので近づいてみた.

Shah-e Cheragh Shrine

mosqueではなく,shrineであった.mosqueは礼拝所なのだが,shrineと訳される場所は祈祷所,でimamやその親族(や詩人?)の霊廟である.mosqueよりも内装が豪華なことが多い.写真のように玉のある柵があってその奥に棺などがある.人々,特に女性が玉の部分に触れながら祈っている姿が見られて,向こうには紙幣が沢山あるので賽銭のように投げ込む人もいるのだと思われる.

一神教においては神は人など歯牙にもかけないのだが,やはりそれでは生きていて辛いので,このような制度があるのだろう.

Yazdのshirine.道路に面して露出している例はここでしか見かけなかった.

さてここは,祭日ということもあり,入場に際して信徒ですら手荷物検査と身体検査をするという徹底ぶりで,さらに「外国人はだめ」と言われたので帰ろうとしたところ国際担当の人が現れて,案内してくれることに.流石に国際担当だけあって,英語をよく解して説明も上手い.ここは第7代imamの息子,Mir Sayyed Ahmadの廟3で,数年前に改修されたのでとても綺麗.建物内は流石に入れて貰えない.

Shah-e Cheragh Shrine

祭日は一張羅で参詣することになっており,女性は黒い服の人もいれば白い服の人もいる.

「白い女性と黒い女性は何が違うの?」

「イランの父親は娘を大切にします」と言われたが,これはかつてArabiaでは娘が生まれることを嫌っていたことを揶揄しているのだろうか4

娘に無線機を渡してしまうのはどうなのか

異教徒なので建物には入れない

見晴らしがよい2階にも連れて行って貰う

この国際担当が少し我々の側を離れた途端に,ほかの警備担当者がやって来て「それ以上写真を撮ると逮捕して写真を全て消す」と伝えてきた.イランでは怖い目に遭うことはなかったが,これは少々怖かった.イランの軍人は和やかなのだが,たまに殺気のある治安要員がいて怖い5

国際担当の人に日本から来たことを伝えると,嬉々として柔道や武術への愛を語ってくれた.このためなのだろうが,このあとイランの古式体操なのか武術なのか分からないがその練習場に連れて行って貰った.太鼓と歌に合わせて,中央の練習場で男達が身体を動かす.

練習風景

太鼓とともに歌われる詩歌は Shahnamehらしく6,勇ましい韻を感じる.革命後は一時期Quranも用いられたのだが,リズムが体操向きではなくShahnamehに戻ったという経緯があるらしい.

練習風景

Shahnamehを歌いながら太鼓を叩く.室内には過去の英雄達の写真も沢山飾られていた.


  1. Out-of-place artifact.小学生の時分の古代エジプト文明ブームの際にはすでに過去の流行に思われたが,いまはどうなのだろう. [return]
  2. Faravahar (Wikipedia) [return]
  3. Shah-e Cheragh [return]
  4. 古代のArab社会では娘が生まれることを嫌って,生まれた嬰児を穴埋めにしていた.Quranではそれを禁じていて復活の日になると「生埋めの嬰児が何の罪あって殺された」と神に訊かれる.(井筒俊彦「『コーランを読む』」) [return]
  5. 思えばかつては秘密警察SAVAKが跋扈して反帝政の者を弾圧していたのだし,怖くて当然なのである.むしろ,そもそものイラン人の明るさは疑われないための策なのかもしれない. [return]
  6. 岡田恵美子訳「王書」の解説より. [return]
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