イラン旅行記4日目 | moskomule log

イラン旅行記4日目

Esfahan2日目

イラン体操

前の晩は夜の散歩をして,多少疲れていたのだがKashanで出逢ったドイツ人KがEsfahanに到着して,hostelに来たので話しているうちに夜も遅くなってしまった.またバイクでヨーロッパから来ている人がいて,ペットボトルに酒を詰めて持ってきていた.vegetarianなので,酒くらいないとやっていけないらしい.dormitoryに戻ると他の人は寝ていた.

翌朝起きると,他の人は依然として寝ていたのだが,私はひとり朝の散歩に出かけた.Imam広場も朝なら人が少ないと思ったのである.Imam広場に向かう途上は通勤者で多少賑わっていたが,Imam広場付近になると人足も途絶えてくる.

しかるに,Masjed-e Shahに向かって歩き始めると賑やかな音楽が聞こえてきた.

朝のMasjed-e Shah.

眺めていると,おじさんたちがかけ声をかけながら,音楽に合わせてラジオ体操をしている.指導員のような人もいるようだが,若い人は見られなかった.

イラン体操のおじさんしかいないが,噴水も動き始めた.

朝のBazaar.

航空券の予約

イランは石油が取れるので航空運賃が安い,と聞いていたので,折角だし,ということでShirazからTabrizまでの航空券を取ってみたところ7000円ほどであった.イランには国営,民営いくつか航空会社があるのだが運賃は国が定めているので競争はないらしい.Tabrizはどちらかというと商業都市なので,ビジネス客が多いらしい.便が多くビジネス以外の需要もあるTehran便などはもっと安いかもしれない.

この日の午前中はEsfahanの旅行代理店で航空券の予約を行った.英語は充分に通じるのだが,あちらは外国人の対応になれていないし,こちらはイラン事情が分からないので,結構時間を食ってしまった.

ここで次のYazdに行く高速バスの予約もした.イランでは高速バス網が発達していて,各都市は高速バスによって結ばれている.特に高速バスも充実していて,今回は高速バスを用いることとした.23時半出発なので23時にはバス停にいるように,とのこと.

Jolfa地区

今回の旅行の目的の一つとしてアルメニア正教会を巡ることがあった.結果としてはほとんど巡れなかったのだが,Esfahanでは行くことができた.

Islamではユダヤ教徒やキリスト教徒は,Islamと同じくAbraham以来の教えを戴く啓典の民として信仰を認められている.現在でも,イランでは国民の圧倒的多数がMuslimであるが,アルメニア正教会の信徒やZoroaster1の信徒がそれぞれの信仰を維持している. アルメニアは世界で最初にキリスト教を国教としたキリスト教国で,今でもカトリックではなくアルメニア正教会という独自の教会を持っている.

アルメニア人はアルメニアを中心に分布する民族なのだが,歴史的に技術力が高く,裕福な者が多かった2.そのためにAbbas1世がEsfahanに遷都した際に特権を付与されて連れてこられた.イラン・アルメニア国境付近のJolfaという街からやってきたため,この新居住地区もJolfaと呼ばれている.今でもアルメニア人はイランでは裕福な者が多く,政府高官を務める者もいる.また,裕福な人が多く教育水準も高いのか,Jolfa地域では英語がよく通じるように感じられた.

Jolfaの軽食店で見かけたSonyのブラウン管テレビ.Sonyの看板を掲げる電気店はSamsung,LGの次に多く見かけるし,Xperiaを持つ人も思いの外見かける.

mosqueのようだがこれは教会で,十字架が見える.

Vank教会(Church of Saint Joseph of Arimathea)

Lonely Planetにも掲載されている有名な教会で,博物館も併設されている.教会の敷居をくぐった途端,眩い絵画に包まれる.実際,全壁面が絵で覆われている.

Vank教会内部.感動のあまりたくさん写真を撮ったつもりになっていたが思いの外少ない.

一切の隙がない.

ステンドグラスはないが,壁面替えで覆われている.

特筆すべきは天国地獄図,というか最後の日図.かなり衝撃的である.天国は面白くはないのだが,墓から出てきて審判を受ける人々,そして地獄で苦しむ罪人の群が生き生きと(死んでいるけれど)描かれている.戯画的で面白い.

天国地獄図

地獄のアップ

教会だが,壁の下部はmosqueのようなタイルが張られており,文化の融合が見られる.

壁下部にはタイル

たぶん棺なのだが建物外部にある.

廊と受胎告知図

外観もmosqueと教会との折衷が見られて面白い.

外観,様式の混交が見られて興味深い.

教会内にはアルメニア正教会の聖歌が流れていて非常に尊い.

Bethlehem教会

Jolfa地区にはVank教会,Bethlehem教会を含め少なくとも3カ所大きな教会がある.こちらはVank教会と較べると人気もなく,入場料も安いのだが,Vank教会にも劣らぬ絵画の数々である.

Bethlehem教会の外観.またもmosqueのよう.

Bethlehem教会の内部

apsisは古めかしい.

コミカルさは健在である.

魂が抜ける様子?

イランでも徒然草は読まれているのだろうか.

相変わらず地獄絵図は凄まじい.

地獄絵図.中央の悪魔の「地獄へようこそ」という感じがなんとも言えない.

アルメニア文字が使われている.ラテン文字やギリシャ文字とも異なって,不思議な感じ.

アルメニア文字が使われている.

Bazaar再訪

バスの時間まで充分に余裕があるのでまたまたBazaarへ.

イランのBazaarはどこも宝飾品コーナーが充実していて,常に黒服に身を包んだ人々が商品を眺めているのみならず,買っているようにも見える.特に金の人気が高いのか,どこも金のネックレスや指輪を売っている.あまり裕福な人が多いとは思えないのだが,宝飾品店は何十軒も連なっていて,その経済は不明である.Pとは,「宝飾品と宝飾品を交換しているだけなのではないか」という仮説に到ったが未だに確かめられていない.

宝飾品店前の光景.

どのBazaarでも楽しいのが香辛料店で,色鮮やかでよく分からない粉や葉,花などが売られている.こんなに種類があって使い分けられるのか,と思ってもしまうが現地の人はちゃんと買っているので問題はなさそう.日本に来る観光客が築地市場などに行って感じる感慨も似たようなものかもしれない.

香辛料店の光景.

saffron入りの砂糖.茶に入れて飲むのだが,大きさの割に案外飲みやすい.

巨大なBazaarを抜けると住宅街が広がっている.この日はAliの祭日ということもあって宗教的な寄付の心が高まっているのだろう,各所でお菓子や飲み物が配られていた.配られていた,と言うより押しつけてくる感じすらある.

キュウリのジュースを貰った.キュウリをすりつぶして,砂糖水と混ぜたような味でお世辞にも美味しくはないのだが,暑い国ではよい飲み物なのかもしれない.

Yazdへ

バス発車時刻までしばらくあるので,Hostelの中庭で待つことにした.するとKが疲れた表情で現れた.彼女の医学校の同期の親に歓待されて,1日熱烈な歓迎を受けていたらしい.さまざまな食事を饗されて,お土産まで頂いてしまったので,食べて,とのことだったのでPと一緒に消費した.

Kのお土産.魚の揚げ物,kebabとkhoresht-e mastという粘性の高い甘い食べ物.

そうこうするうちに,バスの時間が近づいてきたのでバスターミナルに移動する.PはShirazに向かうのでここでお別れ.

バスターミナルは想像以上に立派で,日本の地方都市の駅くらいの大きさがあり売店や土産物店,軽食店がある.予定の時間になってもバスに乗り込むことすらできなくて,不安だったが,結局バスに乗り込むことができて,Yazdへ向かうことができた.一応VIPと呼ばれる高級なバスなのだが,車両が古く座席も硬く,狭い.5,6時間でYazdには到着する予定.

補遺

イランは尚武の国で,空手などが盛ん,最近では忍術も流行っている,とは聞いていたものの,実際にスポーツ用品店の店頭に忍者装束があると驚く.隣にはテコンドー,空手の道着が置かれていたのでこの衣装も道着の一種だとは思うのだが,とても強そう.

各所で,日本人だと伝えると,「空手をやっている」「柔道をやっている」などと教えてくれる.「大山倍達知っているよ」などとも教えてくれる.生憎道場などには出くわさなかったものの,かなり人気があることは分かった.

スポーツ品店頭の忍者衣装.


  1. Wikipediaによれば,「ZoroasterはAbraham」という垂迹のような理屈で迫害を免れたらしい. [return]
  2. 第1次大戦中のトルコによるアルメニア人虐殺も裕福で政府要職を占める者もいたアルメニア人に対して,「トルコ人」たちが反感を持っていたことが背景にある,のかもしれない.Vank教会の博物館にはこのアルメニア人虐殺の展示もしっかりあって,トルコによる戦争犯罪として糾弾していた.時間帯によってはパンフレットを配って話を聞かせてくれるらしい.ちょうどKはその時間帯に居合わせ逃げられなかったらしく,食傷気味に貰ったパンフレットを見せてくれた. [return]
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