イラン旅行記3日目 | moskomule log

イラン旅行記3日目

Esfahan1日目

この日泊まったのはHostel Amir Kaburというところで,10€くらいで泊まれて,決して設備が良いわけでは無いけれど,バックパッカーが集まっていて色々な情報が手に入る.チェコから遙遙バイクで来た,ような人もいて刺戟になる.

朝食は安い“machine”のパンとバター,ゆで卵と決して豪華ではないが,観光地なので仕方がない.

朝のEsfahan.

朝のEsfahan.

Masjed-e Jameh

イラン最大級のmosqueで,世界遺産となった現在でも礼拝に使われている.800年以上にわたって必要に応じて増改築が繰り返された美術館のような所でもある.

礼拝の時間が近づくと作業員が大勢でカーペットを敷き始める.中庭に面した建物には写真のようにfaçadeがあって,彩色された装飾が美しい.

Masjed-e Jameh

以前は礼拝の時間になると「帽子」まで登って告知をしていたらしい.現在ではスピーカーに取って代わられている.

いつもどこでもKhomeini師.下の英語表記は観光客向けなのだろう.

よく知られているようにIslamでは,カトリックのように聖人や預言者の絵を描くことができないので,幾何学模様やarabian文字を図案化した装飾が用いられる.Esfahanが華々し頃は書道大会が開かれ,如何に美しく文字を図案化するかが競われたらしい.

幾何学的な装飾.

分かりやすいarabian文字の図案化.Quranから.

一見「卍」様の模様に見えるが預言者やImam,Allahの美名などが図案化されたもの

組紐のような装飾もarabian文字の図案化.

「卍」タイプ.

こんなところにも

一方で礼拝する建物内は煉瓦が露出しているが,これは却って静謐な美しさがある.こちらには観光客もあまり寄ってこないので,ゆったりとした時間が流れている.ただ,多くの鳩が棲み着いているので頭上には常に気を配る必要がある.

内部はレンガのまま.

Sufiがつくった区画?

ここも礼拝する場所のはず.

天井の模様や形も場所によって全然違う.

もとは装飾されていたことが伺える.

出口付近で例のドイツ人(以下P)と碑文を眺めていると,「それはペルシャ語だよ」と話しかけてくる男(以下A)がいた.神学校を卒業して,mosqueで働きつつ,英語の勉強がてらガイドをしているらしい.英語も上手く,知的な人である.「ここ閉めたら案内するよ」と言うので一緒に回ることとなった.

Bazaar

流石に百万都市なのでBazaarも大きく,廻っていて楽しい.

果物売り.苺や生のアーモンドを鬻いでいる.

ちょうど最後の正統caliphかつ最初のimamであるAliの祭日が始まるらしく,Ali mosqueは天幕で覆う準備中で建物はほとんど見られない.

教会や神社,寺院などでは考えにくいことだが,このmosqueでは礼拝をしている老人の側に,日向ぼっこをする老人がいて,和んだ.日向ぼっこをしている老人も,礼拝をしている老人も,我々が通りかかると起き上がって話しかけてくれる.

“Ali علی”を図案化しているはず.

昼食はberyaniという,よくあるペルシャ料理,というか中東料理なのだが日本で食べるものと違ってスパイスが新鮮なのか非常に美味しい.アメリカ資本はほとんどないが1,レストランには大体,Coca-Cola,Pepsi,Fantaはあって薦められる.

beryani.パンが高級.

beryani内部.パンを千切って肉と野菜を挟んで食べる,のだと思われる.

Masjed-e Sheikh Lotfollah

Esfahan旧市街にある,旧王宮前の広大なImam広場(160m×510m)に面して2つのmosqueがある.Imam広場では王がpoloの大会を開いていたというが,今では市民憩いの場で,相変わらずシートを敷いてピクニックをしている.

Imam広場.イラン人は噴水も大好きだ.

Imam広場.ピクニックをする人々.

やや小ぶりなMasjed-e Sheikh Lotfollahである.この“-e”は“of”をあらわす連結辞で,このmosqueはAbbas1世の義父,Sheikh Lotfollahに贈呈されたのだという.義父とはいうものの,高名なIslam学者であったようなので,国父,みたいな扱いかもしれない.

Masjed-e Sheikh Lotfollah.“Lonely Planet”の表紙にも使われている美しいmosque.

「お義父さん,これを」

この螺旋もよく見られる.

これは1階で,地下には飾り気のない冬のmosque,がある.地下だと冬でも暖かいのだろうか.

ちょうど「なるほどIslam」みたいな企画をしていて,神学校の教授がお話をしてくれるのだが,西洋人にいきなり「同じ神を信仰しているけれど,キリスト教は間違っている,とIslamでは考えます!」という話からしていて,いきなり攻撃的な姿勢にいたく感動した.

よくぞ容赦のない陽射しの中朽ちることなく遺ったものだ,と感心した.

Masjed-e Shah

王のmosque,Masjed-e Shahは外装からして立派なのだが,祭典準備のためmuslimの礼拝すら許されていない.

Masjed-e Shah.祭典準備のため,muslimも含め入場はお断りしております.

ガイドのAは若者ながら信仰心があり,ガイドの途中に「礼拝してくるからアイスクリームでも食べて待っていて呉れ」とこのmosqueに来たのだが,入れずにmosqueを求めて放浪したらしい.

Kakh-e Ali Qapu

Ali Qapu宮殿.Qapu,というのはトルコ語で宮殿,と言う意味で,Topqapu宮殿のQapuと同じらしい.Abbas1世の宮殿で,AliはAbbasの崇拝していたimamから.6階建てで,上のテラスからはEsfahanが一望できる.

宮殿外観.

内側から.

テラスからは街が一望できる.「この眺めが味わえるので,我々も実質,王」という話をした.

室内の装飾は,前面を絵画が覆っており往時を偲ばせるのだが,後の王によって剝がされるなどしている.イラン革命時に何かあったのでは,と勘ぐるが,それは訊けない.

室内の装飾には西洋風の絵画も見られるが,後の王により破壊されている.

これも.

最上階は音楽堂になっている.綺麗な赤色はホワイトバランスが狂ってうまく写っていない.天井や壁の,変な形の穴には中国製の陶磁器を嵌めていたのではないか,とも.

確かに穴の形は壺のよう.

白い部分にも装飾があったのだろうか.

壺が嵌まっていると,音響は如何なのだろう

美人画はそのままに遺っていた.「このような絵画はIslam的にはありなのか」と訊ねると「王はIslamを超越できてしまうのさ,故に王」との応え.たしかにharemもIslam的ではないし,現代のアラブの王国の有様もそういうことなのだろう.

美人画

「髪出しているよ」「王のだからいいんだよ」

夜のピクニック

イランは夜遅くまで照明が煌々としていて,人々が出歩いている.Aと別れて2しばらくしてから,我々も出かけよう,ということになり川辺に.

すると昼間と変わらず川辺でピクニックをして,お茶を飲む家族たちや水煙草を吸う若者たちを見かけた.特に橋の端が部屋に分かれていて,カップルや友人たちがその中を思い思いに使っているのが面白い.シートを広げてピクニックをしている人までいる.老若男女問わず,友人と出歩く習慣があるようなのも,見ていて面白い.

橋の端の小部屋に集まる人たちが見える.

ロマンチック.

川辺を更に歩いて行くと,人が集まっている.突如,若者が伴奏もなく,朗々と男性二重唱をはじめて,近くの老いも若きも皆が聴き入っている.ペルシャ語を解さない異邦人にも韻律の美しい調べが感じられる.スマートフォンを取り出し,動画を撮り始める者もいて,憧れのまなざしを朗詠者に送っている.歌い終えると当然,盛大な拍手が沸いて,客層が実に幅広いことを踏まえると,高名な詩歌なのかもしれない3

歌手と観衆.


  1. 自称Pizza Hat, Starbucksは何軒もある.またWindowsはあちこちで使われている. [return]
  2. hostelでもガイドを斡旋していることもあって,「野良ガイドを雇うな」と口を酸っぱくして言われる.「わかる,価格破壊を起こしてしまうのだろう?うちの近所でも...」と話して逃げ出す.実際「ガイドをする」と言って法外な値段を取る詐欺めいた犯罪もあるらしいので気をつけるに越したことはない. [return]
  3. 段々分かってくるイランの詩歌を愛でる文化からすると,詩文だったと思われる. [return]
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